2011-02-01

カテゴリ別、人気アプリの賞味期限

スマートフォンの普及スピードが加速しています。

『スマートフォン利用動向調査報告書2011』(MCPC監修、インプレスR&D発行)は、
日本のスマートフォン端末の普及速度を次のように予測しています。

・2011年3月末 810万契約(前年の497万契約から63%増)
・2015年度 4,712万契約(年平均40%以上で成長)

スマートフォン普及の牽引役はAndroidですが、引き続き、iPhoneとそのアプリ市場も伸びてますね。

このブログでは、これまでにiPhoneのApp Storeをカテゴリ別に分析してきました。


このエントリーでは、「一度人気になったアプリがどの程度その人気を維持できるか?」について、カテゴリ別の特徴を考察してみます。

App Storeの全20カテゴリを、激戦度の程度に応じて5つに分類して紹介します。

ただ、正確なデータに基づく定量的な分析ではなく、これまで継続的にAppStoreランキングを見てきた印象ですので、あくまでも傾向をつかむための手掛かりとして参照してください。

激戦度 ★★★★★


1. ゲーム

いわずと知れた激戦区。新旧の入れ替わりが激しいが、パックマンなど知名度のある名作系アプリは根強い。

2. 電子書籍

一部のコンテンツベンダーが低品質アプリを濫造。
著作権切れ名作文学のビューワーアプリは長期間売れている。
コミックや写真集は常に新しいタイトルが上位を占めている。

3. エンターテイメント

大半が、発売3カ月後にはランキング圏外に消える (一発芸ネタなど)。

4. ユーティリティ

QRコード変換、絵文字アプリ、パスワード管理アプリ、電子コンパスなど。基本機能の拡張アプリが多く、後発の模倣も激しいため、長期間売れ続けるものは少ない。

5. ライフスタイル

ほとんどが、3カ月後にはランキングから消える。

激戦度 ★★★★


6. ニュース

ニュースを読めるようにしたrssリーダー関連はランキング変動が緩やか。
雑誌や新聞は順位変動が激しい。ただし、有料アプリトップ300のうち日本語非対応が8割ほどあり、日本の事業者はあまり参入していない状況。

7. 写真

バージョンアップを続けるアプリが上位に定着

8. 健康&フィットネス

売れ筋は、「妊娠出産スケジュール管理」、「体重・食事・運動の記録管理」、「食品の成分や栄養を閲覧するデータブック」など。ソフト系、書籍系は長期間ランクイン。ゲームや遊び要素の強い機器系は、短期間でランクアウト。

激戦度 ★★★


9. 教育

優良なアプリが長期間売れる。
競争の激化が予想されるカテゴリ。
英単語・熟語帳アプリ、資格試験の対策本などが売れる。

10. 旅行

外国語の会話集、現地の地図・時刻表、ガイドブック、グーグル自動翻訳などが人気。出版社がコンテンツと知名度を活かして作っているケースが多い。

11. レファレンス

辞典、事典、図鑑が売れ筋。定番アプリが長期間売れる。

12. ミュージック

評価の高いものは長期間売れ続ける。楽曲配信、楽曲検索のほか、演奏補助アプリも人気。

13. ビジネス

実用性の高さが評価されている機器系や書籍系のアプリは長期間売れる。
専門的な計算機(ex:税務便利帳)、連絡先管理、OCR付きのスキャナー、ボイスレコーダー、ビジネスマナーガイドブックなどが売れている。

14. ナビゲーション

良くできた高機能ナビゲーションアプリは売れ続ける。ゼンリンの「いつもNavi」など、はじめは良かったが、値上げしたり、動作が不安定で今は酷評されている。

15. 仕事効率化

タスク管理、多機能メモ帳など良くできたアプリは長期間売れ続ける。特色が明確でないアプリは、すぐに消える。自宅PCをiPhoneからリモートコントロールするアプリ『LogMeIn Ignition』は、3500円と高価格。

16. ファイナンス

家計簿・小遣い帳、ローン・利回り・債権などニッチな用途の計算機アプリなどが長期間売れている

17. ソーシャルネットワーキング

英語圏では、必要な機能を備えたアプリが出そろっている。FacebookやTwitterなど大手が自らリッチなサービスを導入するとサードパーティは滅びる運命にある。
後発参入は困難か。日本語対応は少ない。

激戦度 ★★


18. メディカル

ランキングがほぼ変わらない。主に、医療専門家、医学生、研究者など一部の限定層にのみ売れてる。

その他


19. スポーツ

アプリの全体数が少ないため曖昧。大きい傾向として、当該スポーツのベストシーズンによって売れ行き異なる。年間を通じてできるゴルフは、比較的長期間売れる。

20. 天気

アプリの全体数が少ないため一概には言えないが、ランキング変動はほぼない。地域差の大きいサービスのため、全世界有料トップ300にランクインした天気アプリのうち、日本語に対応しているアプリはほとんどない。日本は日本オリジナルのアプリのみ。

最後に


日々、変化の激しいアプリ市場ですが大きなトレンドの把握に役立てば幸いです。

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