2010-05-13

iPhoneアプリの売れ筋カテゴリは?



iPhoneアプリを開発してみたいけど、気がつくと登録アプリ数も20万を超えてるし、どのあたりが狙い目なのかわからないという方も多いのではないでしょうか。


先日、"「iPhoneアプリ & AppStore」ビジネスのしくみ"という本を読んで、ヒントになりそうなことが書いてあったので、メモしておきます。





この本では、2010年2月の時点で、日本におけるiPhoneアプリの売り上げ上位300個がどういうカテゴリに分布しているかが調べられています。


どういうカテゴリが売り上げの上位かというと、


有料アプリトップ300に占める割合の上位5カテゴリ
  • 1.ゲーム : 35%
  • 2.ユーティリティ : 9.30%
  • 3.仕事効率化 : 8.30%
  • 4.エンターテイメント : 8%
  • 5.写真 : 6.60%


「やっぱりゲームが売れるのか」という印象ですが、ゲームは登録されているアプリも多く、競争も激しいです。


そこで、登録数の割に売れているカテゴリは何か(競争率が低い割に売れているカテゴリは何か)といったことも少しだけ説明されています。


この狙い目ランキングが特に気になったので、本の文章からデータを抜き出して、並べ直してみました。



登録数のわりに売れている狙い目カテゴリ上位5位
  • 1.仕事効率化 : 6%
  • 2.写真 : 5%
  • 3.ユーティリティ : 4%
  • 4.ミュージック : 2%
  • 5.ファイナンス : 1%
  • 5.天気 : 1%
 この%は、各カテゴリの有料アプリトップ300に占める割合から、登録アプリ数に占める割合を引いたものです。

本によると、仕事効率化カテゴリのアプリがよく売れているのは日本特有の現象で、アメリカのランキングではあまり見られないそうです。

ちなみに、仕事効率化カテゴリの売り上げ上位ランキングで、もっとも高価なアプリは、自宅のPCをiPhoneからリモートコントロールするアプリとのこと。

そして、4位のミュージック部門の楽器アプリでは115円の価格帯が多いが、演奏補助機能が付くと450円以上の値段のアプリが増えるみたいです。

また、5位のファイナンスでは、金融に特化した電卓(金融電卓)が数千円という価格ながらよく売れているようで、同じく5位の天気では、パイロット向けのフライト専用の気象情報アプリが8500円という高額でそこそこ売れているとのことです。





iPhone,iPadのApp StoreやAndroid Marketは、世界の大きな市場にリーチできることが魅力の一つなわけですが、実際に売れているものを見ると国別に趣向が違っていたり、売れるアプリのなかでもより高い単価を稼げる付加価値のあるアプリと、そうでないアプリがあるようですね。


特に数千円という高価な値段でも売れるのは専門的な市場か、マニア向けに限定されるのでしょう。




以上、どういったアプリが売れそうかを見てきました、そもそも、iPhoneアプリは儲かるのでしょうか?


一般的な売り上げモデルでシミュレーションをしてみようと思います。


単価 × 購入者数 × 開発者取り分(70%) = アプリ販売から得られる収益


購入者数をiPhone利用者の1%と見積もると、日本のiPhoneユーザーは200万人程度ですので、多くても2万人ぐらいです。全世界のiPhoneユーザーは5500万人ぐらいですので、55万人を潜在的な顧客数の上限と仮定してみます。(2010年5月時点)


また、平均的なアプリの単価を115円~230円程度と想定すると、アプリ販売から得られる収益は次のような範囲におさまりそうです。


Case1 : 日本国内のみ、単価115円 <通常価格>
115円 × 2万人 × 70% = 161万円


Case2 : 日本国内のみ、単価230円 <やや高め価格>
230円 × 2万人 × 70% = 322万円


Case3 : 全世界向け、単価115円 <通常価格>
115円 × 55万人 × 70% = 4,428万円


Case4 : 全世界向け、単価230円 <やや高め価格>
230円 × 55万人 × 70% = 8,855万円


有料転換率を2%にあげてみたり、単価を450円ぐらいまであげるなどの試算も考えられますが、残念ながら、日本国内のみでのアプリ販売は大して儲からないと言えそうです。(個人が2週間で作ったとかなら十分採算があうのでしょうが・・・)


組織的なビジネスとしては、今後のiAdsや、アプリ内課金との組み合わせでARPUをあげる、またはアプリの外(ウェブサービスやリアルのサービスへの送客)で稼ぐ手段を用意する必要がありそうです。




最後に、この本の調査データにもなっている最新アプリ動向の情報源をご紹介します。


無料アプリ上位300のRss Feed ↓
http://ax.itunes.apple.com/WebObjects/MZStoreServices.woa/ws/RSS/topfreeapplications/sf=143462/limit=300/xml


有料アプリ上位300のRss Feed ↓
http://ax.itunes.apple.com/WebObjects/MZStoreServices.woa/ws/RSS/toppaidapplications/sf=143462/limit=300/xml


iTunes Store RSS ↓
http://itunes.apple.com/jp/rss/?cc=JP


アイデアの発見はデータ収集からですので、まずはfeedを取得してこまめにチェックしてみるのがいいかもしれませんね。

0 件のコメント:

コメントを投稿